3.11後・空気の正体

昭和の預言者(故山本七平氏)の視点をかりながら3.11後の日本社会のおかしな空気の正体を解明したいと考えております。特に菅元首相に対する魔女裁判のごとき我々の異常な憎悪を詳しく検証するつもりです。

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(4)「国民の生活が第一」?

民主党を離党した小沢グループが「国民の生活が第一」という名の会派を立ち上げたそうである。小沢氏によるとそのフレーズには特に執着があるのだという。たしかに3年前に民主党が政権を奪取したとき、そのフレーズに何事かを期待して民主党に票をいれた有権者も多いのではないだろうか。その名付け親でもある小沢氏だから、離党後も自らの会派の名に使うことは必ずしも(民主党から)無断使用のそしりを受けるいわれもないだろう。使いたければどうぞご自由に、というのが現民主党執行部の受け取り方ではないかと思う。だいいち国民の期待を裏切った民主党が、いまさらそんな言葉を使えるはずもない。賞味期限を過ぎた毒饅頭のようなフレーズを使って、国民をだますことはもう二度と許されないはずだ。

小沢氏らは民主党がそれによって政権奪取をしたマニュフェストを放棄することは国民に対する裏切り行為だと罵っている。したがって小沢氏らが民主党を離党した大義というのも元のマニュフェストに帰ることしかない。その意味では「国民の生活が第一」という会派の立ち上げも小沢氏の中では当然の帰結であろう。だがしかし小沢氏らはマニュフェストが実現できなかった原因について具体的には何も語っていない。彼らが政権担当前に想定していた20兆円近くの埋蔵金などの財源がまったく根拠のないものであったことは、今やはっきりとしている。そのような根拠のないアドバルーンをあげたことに対する反省の念は微塵もなく、もう一度同じようなアドバルーンをあげればよいとでもいうのであろうか?

忘れてならないことは、小沢氏は鳩山政権時代に幹事長職にあり、当時ほとんどの政策実行について責任のある立場だったということである。しかも小沢氏は政権発足当時マニュフェストにあったガソリン税の暫定税率廃止を指示した張本人であり、その後も結局、マニュフェストはほとんど実行されないまま幹事長職を辞めている。彼が幹事長時代にやろうとした事業仕訳でも結局目標の3兆円の捻出ははるかに及ばす6000億円の削減で終わっているのである。

そのような反省に基づいて消費税議論が始まったことを忘れてはなるまい。ちなみに民主党の2010年度のマニュフェストでは「消費税を含む税制改革に関しての協議を超党派にて行うこと」が発表されているので、その後、民自公で消費税に関する議論を始めたことは決してマニュフェスト違反ではない。しかも、厳密にいうと、今回の消費税増税はその実施が2年後の2014年からになっているので、民主党政権発足時(2009年)に4年間は消費税を上げませんといった鳩山総理の公約はちゃんと守られているのである!

鳩山元総理は「平成21年の衆院選マニフェストの表紙を飾ったのは(代表だった)私だ。その私が『消費税増税はやらない』と宣言し、政権交代が実現できたのはまぎれもない歴史的事実だ。その政策は今でも間違っていない」と述べたとされているが、しかし彼は「消費税増税はやらない」といったのではなく、あくまでも「4年間は消費税をあげません」といったにすぎない。鳩山元総理は自分のいった言葉ぐらい正確に覚えておいていただきたい。

民主党は今でもマニュフェストを放棄したわけではないといっている。ただし、政権発足時に唱えた個別のマニュフェストのいくつかは放棄せざるをえないと判断したのであろう。あたりまえの話である。マニュフェストの財源そのものが、まったく根拠のないアドバルーンにすぎなかったわけだから当然であろう。その根拠のないアドバルーンをあげて国民をあざむいた責任は民主党にあるのはもちろんであるが、実はそのアドバルーンをあげた責任の大半は小沢氏にある。要するに、政権獲得のためには手段を選ばない彼の手法が災いをもたらしたのであろう。にもかかわらず民主党を離党して、自分にはあたかもマニュフェスト放棄の責任がないかのようにいうのは論理的にも道義的にも筋の通らない話であり卑怯千万なことだ。

自民党の麻生太郎元総理は「国民の生活が第一」というフレーズに対して皮肉をこめて次のようにいっている。「国民の生活が第一という新会派だそうだが、『選挙が第一の党』という政党名の方が現実的ではないか」と。これは皮肉でも何でもなく図星であろう。彼らは要するにただ自分の延命のためだけに「国民の生活が第一」などといっているにすぎない。これはもうポピュリズムというよりは、むしろ詐欺に近いのではなかろうか。ただし、あまりにも見え透いた手法なので騙される人はほとんどいまい。
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